新型Raspberry Pi 4が登場、Pi 3と基本仕様を比較

英国Raspberry Pi財団は2019年6月24日(現地時間)、シングルボードコンピュータの新モデル「Raspberry Pi 4 Model B」を発表した。従来モデル「Raspberry Pi 3 Model B+」からプロセッサとI/Oを大幅に強化したとともに、本モデルから初めてメモリ容量別の3製品をラインアップした。

PU性能3倍メモリ容量最大4倍に強化、電源はUSB Type-Cに

Raspberry Pi 4 Model Bは性能やI/O面で多くのブラッシュアップがなされた。

SoC(System on Chip)として最大1.5GHz動作のCortex-A72クアッドコア「BCM2711」(Broadcom製)を採用。これまでRaspberry Piファミリーでは全製品で40nmプロセスのSoCを用いていたが、BCM2711で初めて28nmプロセスを採用した。従来のBCM283X系SoCと比較してBCM2711は2~4倍の性能向上を果たしたとし、Raspberry Pi 4 Model BはRaspberry Pi 3 Model B+から約50%高速化したという。

グラフィックスはVideoCore VIが最大500MHzで動作し、OpenGL ES 3.xをサポートする。また、1G、2G、4GBのLPDDR4-2400 SDRAMを搭載した3製品が用意され、メモリ帯域幅の拡大と最大4倍のメモリ容量増加を実現した。

I/O面では4Kのデュアルディスプレイ出力を新たにサポートし、映像出力端子が従来モデルで搭載しているHDMI Type-Aから同 Type-D(マイクロHDMI)2個に変更された。その他、USB 3.0やBluetooth 5.0に新たに対応し、ギガビットイーサネットも従来モデルから高速化されている。GPIO(General Purpose Input/Output)などの低レベルI/Oは従来モデルと同一の機能、ピンアサインを維持している。

また、電源も従来のUSB micro-BコネクターからUSB Type-Cコネクターへ変更され、高出力電源が利用しやすくなった一方で、従来モデルから動作に必要な最低供給電流が3Aに引き上げられている。これらの改善により、コネクター形状やフォームファクタを従来モデルから変更されたため、従来モデルのケースは流用できない。

また、Raspberry Piファミリーの標準OS「Raspbian」もアップデートされた。この最新バージョンは近日リリース予定のDebian GNU/Linux 10 (コードネーム:buster)がベースとなっている。Raspberry Pi 4 Model Bは従来のグラフィックスドライバスタックが廃止されており、新たに「Mesa V3D」ドライバが採用された。

メーカー標準価格はメモリ1GBモデルが35米ドル、同2GBモデルが45米ドル、同4GBモデルが55米ドル。既に欧州や米国などでは販売を開始しているが、日本では電波法に基づく技術基準適合証明(技適)の取得が完了次第の販売となり、販売代理店の1社であるスイッチサイエンスは同社Webページで「数ヶ月~半年くらいかかるかも」としている。