応援の意味も込めて、ファーウェイの「MateBook 13」を購入

久々にWindowsパソコンを買い換えることにした。

 持ち運びに便利なサブ的な位置づけなマシンとしていくつかの選択肢から探すことにした。

 最初の候補として上がったのがマイクロソフトの「Surface Go」。コンパクトで持ち運びに最適で、なんといってもLTE通信を内蔵しているというのがいい。さらにUSB Type-Cでの充電が使えるというのがありがたい。

 しかし、画面サイズなどを考えると、すでに所有しているiPad Proとバッティングしてしまうので、Surface Goは断念。

 次に検討したのがSurface Laptop2。こちらは発表会や開発責任者のパノス・パネイ氏にインタビューした際に、新色ブラックのかっこよさに一目惚れしたのだが、充電するのに専用ケーブル「Surface Connect」が必要というのが引っかかる。できれば、持ち歩くのはLightningケーブルと、USB Type-Cケーブルの2本だけにしておきたい。出先で「充電できない!」というのは避けたいので、泣く泣くSurface Laptop2も諦めた。ただ、デザイン、カラーリングは本当に気に入っているので、USB Type-Cに対応した時には是非とも再検討したい。

ちなみに先日、米ワシントン州レドモンドにあるマイクロソフト本社で、Surfaceなどのデバイスデザイン担当 コーポレートバイスプレジデントのラルフ・グローネ氏に話を聞く機会があったが、USB Type-Cへの対応については「検討はしている。これから周辺機器がUSB AからUSB Type-Cに移行するだろうが、現時点ではSurface Connectの方がいいと考えている」とのことだった。

そんな中、家電量販店であれこれ悩んでいると目に止まったのが「HUAWEI Matebook 13」だ。海外での発表会を取材した時に「結構、いいデザインじゃん」と思っていたのだが、あらためて見ると確かにいい。値段も10万円そこそこ。この値段で、この質感は悪くない。

 ただ、頭をよぎるのは昨今の米中貿易摩擦だ。ファーウェイが米商務省の輸出管理規則に基づくエンティティリストに入ってしまい、アメリカ企業はファーウェイとの取引ができなくなってしまった。これにより、スマホに関してはキャリアからの新製品販売ができなくなってしまっている。

 「ファーウェイはノートパソコンの新製品販売を断念した」というニュースもあるなか、逆に「いま、買っておかないともう買えなくなる」とも言えるし、不憫なファーウェイの人たちを応援したいという気持ちもあった。結局、Matebook 13を購入してしまった。

 セットアップ後、まず試したかったのが「Huawei Share」だ。

 手持ちのP30で写真を表示した状態でパームレストに置くと、ぶるっと反応し、写真がMatebook 13に表示され、コピーされていくのがかなり便利だ。スマホで撮影した写真をパワポのスライド作成に使いたい、あるいはメールで画像を添付したいというのに重宝しそうだ。

 ちなみに、マイクロソフト本社ではセキュリティ担当 コーポレートバイスプレジデントのロブ・レファーツ氏に話を聞く機会があったので、ファーウェイについて聞いたところ「コメントできない」とのことだった。しかし、改めてマイクロソフトから回答をもらったところ「私たちの法務チームは、米国法への継続的なコンプライアンスを確保するために、その命令が私たちにとって何を意味するのかを詳しく調べている段階です。現時点でこれ以上共有するものはありません」とのことだった。

 ただ、アメリカでは一時期、マイクロソフトストアでファーウェイ製品の取扱が停止されていたようだが、先日、なんとか復活した模様で、事態は好転に向かっているのかもしれない。

 いまのところ、Matebook 13を購入し、全く後悔していない。むしろ、いいノートパソコンを買えたと思っている。

 スマホもそうだが、政治に巻き込まれ、いい製品がユーザーの手に届かなくなるのはなんとも悲しい気がしてならない。