ファーウェイの次期EMUI 10はAndroid Qベース?P30 Proで動作が確認

米国による制裁の影響を受けて、ファーウェイは今後の自社スマートフォンにGoogleのAndroid向けサービスが搭載できなくなっています。

そのため同社デバイスの次期OSがどうなるかにつき注目が集まっているなか、EMUI 10(ファーウェイ製スマートフォンなどに搭載されるOS。現在のバージョンは9.1)の初期ビルドがAndroidの次期バージョンとなるAndroid Qをベースとしていることが報じられています。

このEMUI 10はFunkyHuawei(ファーウェイ端末に別のリージョンのROMを焼いたりするサービス)が入手してシェアしたもの。開発者向けコミュニティXDA-DevelopersによりP30 Pro上で動作が成功し、Andoid Qベースであることが確認されています。

XDAによれば、ランチャーやステータスバー、クイック設定や通知および設定がすべて前バージョンのEMUI 9.1と同じで、全体的なユーザーインターフェースの目に見える変更はさほど多くないとのこと。

ただし、設定アプリ内ではAndroid Qの新たな権限コントロールが含まれており、位置情報を取得する許可の選択肢に「アプリ利用中のみ許可」が新設され、カメラアプリのインターフェースも少し変更されたと伝えられています。さらに海外テックサイトWinFutureによれば、Android Qのダークテーマも使えるとのことです。

ファーウェイがEMUI 10に追加した他の要素は、今のところ不明です。ただし米9to5Googleによると、EMUI 10をインストールした一部のユーザーの感想は、前バージョンのEMUI 9.1よりも著しく速くなっているといったところ。ビルドの全体的な安定性もかなりしっかりしており、おおむね「大きな問題はない」と報告されています。

窮地に陥ったファーウェイは独自OSを開発し、今月13日には名称と見られる「鴻蒙(Hongmeng)」を出願。かたやロシア政府も支援を打診し、スマートフォンOS「Aurora」の採用を提案したと伝えられています。

が、その一方ではGoogleが対ファーウェイ制裁は安全保障上のリスクがあるとして、米政府に禁輸解除を働きかけているとの噂もありました。それぞれの政府や企業に思惑があるとは推測されますが、いちユーザーにとってはGoogle Playなどを含んだAndroid QベースのEMUI 10が公式配信されることが最も有り難いかもしれません。