AMDが12コア24スレッドで499ドルの「Ryzen 9 3900X」など第3世代Ryzenファミリーを発表 出荷は7月

5月28日に台湾・台北市で開幕する「COMPUTEX TAIPEI 2019」に先立つ5月27日、台湾国際会議中心においてオープニングイベント「COMPUTEX International Press Conference & CEO Keynote」が開催された。冒頭、AMDのリサ・スー社長兼CEOが登壇し、次世代グラフィックスチップや第3世代Ryzenプロセッサなどの製品群を紹介した。

第3世代AMD Ryzenプロセッサを正式発表

スー氏は次世代デスクトップCPUとして、第3世代AMD RyzenプロセッサをCOMPUTEX 2019で正式発表するとアナウンス。この第3世代Ryzen CPUは、

7nm Zen 2コア

第3世代AM4ソケット

初のPCI Express 4.0対応PCプラットフォーム

になると説明。その核となるZen 2コアアーキテクチャは、クリエイティブソフトウェアの性能を引き上げる2倍の浮動小数点性能、メモリレイテンシを抑えゲーム性能を向上させる2倍のキャッシュサイズ、そして全てのアプリケーション性能を引き上げる15%のIPC性能向上を果たすという。

スー氏は、この第3世代Ryzenプロセッサのラインアップとして、8コア16スレッドでベースクロック3.6GHz、ブーストクロック4.4GHzで動作するRyzen 7 3700Xを紹介した。Ryzen 7 2700Xと比べ、シングルスレッド性能で15%、マルチスレッド性能で18%の向上を果たしながら、TDPは65Wに抑えられると、そのエネルギー効率の高さをアピール。さらに、Cinebench R20を使ったIntelのCore i7-9700Kとの比較デモを披露し、Ryzen 7 3700Xの4806というスコアに対し、Core i7-9700Kは3726にとどまった。

さらにスー氏は、8コアCPUの新しいパフォーマンスリーダーと位置付けるAMD Ryzen 7 3800Xを発表、8コア16スレッドでベースクロック3.9GHz、ブーストクロック4.5GHzを105WのTDPで実現する製品となる。同CPUは、AMDがやや苦手としてきたゲーム性能を大幅に引き上げる製品としても期待され、カウンターストライク:グローバルオフェンシブ(CS:GO)やPUBG、Dota 2といったeスポーツタイトルによるパフォーマンス比較も披露された。

また、第3世代Ryzenは、世界初のPCI Express 4.0への対応を果たし、PCI Express 3.0の倍の帯域を実現、AMD X570チップセットとの組み合わせでは、最大40レーンの実装が可能になる。

そこで、スー氏は、PCI Express 3.0世代のCore i9-9900KとGeForce RTX 2080 Tiのシステムと、PCI Express 4.0対応となるRyzen 7 3800XとNAVIのシステムで、3DMarkが実装予定の帯域テストを行い、Core i9-9900Kシステムでは毎秒14GB前後で帯域が頭打ちになるのに対し、Ryzen 7 3800Xシステムでは毎秒24GBを超える帯域を実現できることをアピールした。

12コア24スレッドのRyzen 9 3900Xも投入

さらにスー氏は8コア以上の第3世代Ryzenも市場投入するとして、Ryzen 9 3900Xを披露。同CPUは、CPUパッケージ上に2つのCPUコアを搭載することで12コア24スレッド、ベースクロック3.8GHz、ブーストクロック4.6GHz動作を実現。市場価格で15万円前後となるLGA2066のIntelのCore i9-9920Xよりすぐれたパフォーマンスを発揮するという性能比較データも公開した。

また、最後にスー氏は第3世代Ryzenの価格も紹介し、7月7日より発売を開始すると紹介。パートナーから56以上のX570チップセット搭載マザーボードも発売される。

なお、6コア12スレッドのRyzen 5シリーズを含めた主な仕様と価格は下記の通りだ。