新型Surface Proで互換性は維持される? 2019年の次世代モデルを予測する

つまり「2018年にSurface Proがリリースされても、それはマイナーチェンジ版にとどまる」というわけだが、実際に2018年10月に発表された「Surface Pro 6」はプロセッサなどを更新した順当進化版であり、いわゆる“デザイン一新”とは違う製品だった。

それから1年の時が流れ、今再びこのうわさが現実のものとなりつつある。実際、新型Surface Proがどのような形でリニューアルされるのか、関連情報がいくつか上がってきており、その姿がおぼろげながら見えつつある。

新型Surface Proのキモは「タイプカバー」にあり

今回の話題は、5月23日(米国時間)に公開されたMicrosoftの申請特許にある。特許名は「MULTI-PANEL COMPUTING DEVICE HAVING INTEGRATED MAGNETIC COUPLING STRUCTURE(S)」で、簡単にいえば「見開き型デバイスの片方側、両面にマグネットを内蔵しておき、前後どの方向に折りたたんでもマグネットを使って安定して“折りたためる”という仕組み」だ。

これをSurface Proに当てはめれば、本体となるタブレット部分のディスプレイ面と背面の両方にマグネットを内蔵しておき、「Type Cover(タイプカバー)」でディスプレイ面を隠す形に折りたたむ、あるいは背面側に折りたたんで“タブレット”として利用したときのいずれでも、マグネット機構により安定して本体とタイプカバーが固定されるという仕掛けだ。

なお、特許の説明を参照すると、タイプカバー側にもマグネットかそれに準ずる接続機構が対応する部位に内蔵されているという。

非常にシンプルな仕組みではあるが、タイプカバー周辺に大きな変更が加えられる可能性が高いことの証左に思える。2018年末には申請特許の情報で「薄型の新機構を採用したタイプカバー」の話題が出ており、何らかの大きな変更が加えられるというのは既定路線なのだろう。

とはいえ、申請中の特許というのはあくまで出願したという情報だけで、それが実際の製品に結びつく保証はない。ただ、過去には申請特許の情報をベースとした製品が「Surface Studio」という名称で実際にリリースされたこともあり、「あくまで憶測」ということで一蹴することもできない。

もう1つ興味深い情報としては、先日来日インタビューを行ったパノス・パネイ氏が少し触れていたのだが、現在別々のタイプカバー製品を用意する必要のあるSurface ProとSurface Goについて「両者が新モデルで(インタフェースが)共通化される」という話がある。これが意味しているのは、Surface Proは次のモデルでタイプカバーの互換がなくなり、新しい仕様に統一されるという可能性だ。

これまで、Surface Proは4~6の3世代でタイプカバーが共通化されており、互換性をもって使い回すことができた。ただ、このタイミングで一気に更新が加えられるというのは、前述したうわさの数々を補強するものではないかと筆者は考えている。

ついにSurface Connectがなくなる?

そしてもう1つ、今回の申請特許で話題になっているのが「USB-C(Type-C)ポート」と「Surface Connectポート」の2つだ。The Vergeのトム・ウォーレン氏なども触れているが、上記の図にある2つのポートはUSB-C(Type-C)とType-Aの2種類のUSBポートで、これまで充電用のACアダプターとの接続や外部ポートとして活用されてきたSurface Connectが取り外されている可能性が指摘されている。

Surface Proに長らくUSB-C(Type-C)ポートが搭載されてこなかったのは、「(同規格をあまり好まない)パネイ氏の意向」といううわさもあり、これがSurface Connectに代わって搭載されることになれば、Microsoftとして大きな方針転換ということになる。

いずれにせよ、新型Surface Proはインタフェース回りを中心に大きく刷新される可能性が高いと考えておけばいいだろう。デバイスの発表時期もパネイ氏のコメントに沿うならば「(国内外ともに)10月」ということになり、これからSurface Pro購入を考えているユーザーは、今後数カ月にわたって続くであろう「大幅に割り引きされてお買い得になったSurface Pro」を横目に、どちらを選ぶかしばらく悩むことになる。