Dellが折りたたみディスプレイデバイスをテスト中…結構難しいのね

見た目はめちゃクール

今最も熱い、折りたたみデバイス。CESやMWCでは多くのメーカーが折りたたみスマートフォンを展示し、先週にはLenovo(レノボ)がデュアルスクリーンPCのプロトタイプを展示しました。とすれば、Dell(デル)が折りたたみディスプレイを搭載したコンピューターを開発していると聞いても、驚きはないですよね?

Dellが折りたたみディスプレイ搭載デバイスを発表しない理由

Dellにてコンシューマー・コンピューター事業を担当するFrank Azor氏は米Gizmodoにたいし、折りたたみデバイスの難しさを語っています。Dellはディスプレイ部品について、「常に実験をしている」といいます。

Dellだけでなく、多くの会社がディスプレイ部品を外注しているのが現状であり、Lenovoが生産したような折りたたみディスプレイは、トップメーカーなら誰でも入手できる、とのこと。そして、Dellは「その使用目的がはっきりしない」から、折りたたみディスプレイ搭載デバイスを展示する計画がないそうなんです。

Azor氏によれば、折りたたみディスプレイ技術は身近になってきているものの、タッチスクリーンキーボードを備え、折りたたんで大きなタブレットとしても使える、極薄で軽量なラップトップを作るのに必要な技術の準備がまだ整っていないとしています。

問題はキーボードとシリコン

まず、キーボードが問題です。iPadのようなソフトウェアキーボードでのタイピングは多くの人が好みませんし、キーボードと同じような快適さで操作できるタッチ入力インターフェイスの開発は、ソフトウェア的にも難しい。さらに、小さくなるバッテリーと大きくなるディスプレイの消費電力も問題です。これにより、実際の駆動時間が減少してしまうことをAzor氏は指摘しています。

さらに、シリコン(プロセッサやメモリなど)も大きな問題となります。大画面かつバッテリーの小さなデバイスに搭載できるシリコンの面積は極めて限られています。しかも、それは価格が高いだけでなく、処理速度も速くありません。これにより、高解像度ディスプレイの駆動に問題が生じうるとしているのです。

現在Dellはこの問題の解決に取り組んでいますが、すぐにでも…というわけではないようです。しかし、「もし95%にまで完成度が高められれば、製品を公開するかもしれない」とAzor氏は語っています。折りたたみディスプレイを搭載したノートパソコンがLenovoから、あるいはDellから投入されるのかはまだはっきりしませんが、今はすこし様子を見守っておきましょう。