Core i3-9100Fが登場も「渇きは潤せない」の評

先週のCPU売り場では、Intelの4コア4スレッドモデル「Core i3-9100F」が注目を集めていた。内蔵GPUは非搭載、コアクロックは標準3.6GHzでブースト時は最大4.2GHzとなる。TDPは65Wだ。価格は1万2500円前後(税込み、以下同)となっている。

第9世代Coreで最安の1万2500円! Core i3-9100Fがデビュー

第9世代(開発コード名:Coffee Lake Refresh-S)に属するCore i3は4月に「Core i3-9350KF」(2万3000円前後)が登場しており、9100Fは2つ目となる。第9世代全体でみても価格はとりわけ安く、1万円前半で買える唯一の選択肢となる。

ミドルレンジ以下のCPUは供給不足が長期化し、Ryzenにシェアを奪われる状況が続いているCore iシリーズ。9100Fは歯止めをかけるCPUとして期待したいところだが、ショップの声は冷淡だ。あるショップは「いくら安くても、Core i3で内蔵GPUなしじゃあね……。トータルコストを抑えてそこそこのマシンを組みたい人が選ぶラインですし、対応するマザーボードも映像出力に力を入れているモデルが多いですから。何というか、渇きが潤せない。コレジャナイ感があります」と辛辣(しんらつ)だった。

とはいえ、渇きを潤すCPUが今潤沢に供給されることを期待する声もまた薄い。パソコンSHOPアークも「Core i3で最も望まれているのはTDP 35WでGPUを内蔵する『Core i3-8300Tや8100T』の後継ですが、さすがに厳しいですもんね……」と冷静に語る。

また、「最廉価なグラフィックスカードを足しても2万円を切りますし、人気のCore i5-9400F(2万3000円弱)よりも1万円近く価格が抑えられることを考えればアリかも」(TSUKUMO eX.)と別の視点で肯定的に捉える声も聞かれた。

新たに「Core i7-9700K」のR0ステッピング版もバルクで出回るようになっている。従来のP0ステッピング版からハードウェアレベルでの脆弱(ぜいじゃく)性対策を施しており、価格は5万円弱と変わらない。入荷したTSUKUMO eX.は「最新の環境を求めるならR0ステッピング版ですが、BIOSアップデートをした上でOSをインストールしないとブルー画面が表示されるようです。そこだけ注意して選んでもらえたら」と話していた。当面はP0とR0を併売するという。

12機能搭載の「KableCARD」がビジネスパーソンに大ヒット

アクセサリー類では、アーキサイトの「KableCARD KC7」の売れ行きが目立っている。ブラックとホワイトの2色があり、価格は4300円前後となる。

名刺カードサイズのケースに6種類のケーブルと6種類の機能を盛り込んでいるのが特徴だ。ケーブルはUSB Type-A to Type-C・Lightning・MicroUSB、USB Type-C to Type-C・Lightning・MicroUSBの組み合わせで使える。他にはSIMカードを取り出すイジェクトピンとnanoSIMカードを2枚収納できるスペース、ワイヤレス充電機能とスマホ用の簡易スタンド機能、間接照明で使えるLEDライト、microSDカードリーダー機能を搭載している。

入荷したパソコンSHOPアークは「新製品コーナーで抜きん出た売れ方をしています。仕事で出張などが多い人にすこぶる評判がよくて、コレを探して来店されるというケースが多いですね。持ち歩くガジェットの数も規格も増えていますし、どんな組み合わせでも対応できるワンパックの道具を求めるニーズはかなり高まっているみたいですね」と話していた。

液晶の背後を光らせる「HUE 2 Ambient RGB Lighting Kit V2」

光モノは店頭デモで映えるが、先週とりわけ目立っていたのがNZXTの「HUE 2 Ambient RGB Lighting Kit V2」だ。液晶ディスプレイの背面外周に貼り付けるタイプの外付けライティングツールで、21~25および34~35型の液晶用と26~32型用のモデルを用意している。価格はともに1万5000円前後だ。

NZXTのイルミネーションシステム「HUE 2」に対応し、外付け用コントローラー「HUE 2 Ambient」で制御する仕組み。

デモ機を展示しているTSUKUMO eX.は「背面までダイナミックにライティングできるので、ゲームのムードを高めたり“パリピ仕様”にしたりと演出の幅が広がります。それなりの価格ですが、発売前から大きな反響があったので欲しい人は少なくないんじゃないかと思います」と話していた。

光モノでは、MSIからグラフィックスカードホルダー「ATLAS Mystic ARGB」も登場している。価格は3200円前後だ。MSIのドラゴンエンブレムが描かれた透明アクリルのガイドボードで、先端のRGB LEDの光をボード全体に行き渡らせる。グラフィックスカード直下の拡張ブラケット3段分のスペースに固定し、カードを支える仕組みだ。

パソコン工房 秋葉原BUYMORE店は「どのケースにも取り付けられるので導入のハードルは低いですね。その上で目立つから、光モノ的なコスパは結構高いんじゃないかと思います」と評価していた。

ぶ厚いヒートシンク付きの「WD BLACK SN750」が登場!

ストレージ関連では、Western DigitalのM.2 NVMe SSD「WD BLACK SN750 NVMe SSD」にヒートシンク付きモデルが登場している。1TBモデルが3万2000円前後、500GBモデルが1万7000円弱だ。基板自体は従来のヒートシンクなしモデルと変わらないが、SN750用に設計したヒートシンクによって効率的に放熱できるのが特徴だ。厚みはヒートシンクなしが2.38mmなのに対し、8.1mmとなっている。

ドスパラ秋葉原本店は「厚みがあるため物理的な干渉に気を付ける必要がありますが、SN750の基板に最適化したヒートシンクなので安心感は大きいと思います。PCIe(NVMe)タイプのM.2 SSDはどうしても発熱が気になりますしね」と話していた。

その他、メモリはCrucialからJEDECの標準規格に準拠する最速規格となるDDR4-3200キットが登場している。ラインアップは16GB×2枚の「CT2K16G4DFD832A」と8GB×2枚の「CT2K8G4DFS832A」で、価格は2万7000円前後と1万4000円前後となる。