初の第9世代Core i3が登場も「売り方に悩む」の声 HDDマウンタが人気の理由

2019年3月末に登場した「Core i9-9900KF」「Core i7-9700KF」「Core i5-9600KF」に続き、先週はIntelから新CPUの「Core i3-9350KF」が登場している。価格は2万3000円前後(税込み、以下同)だ。

Core i5-9400Fより価格が上のショップも――Core i3-9350KF登場

Core i3-9350KFは、GPU機能を省いた4コア4スレッドのCPUだ。標準クロックは4.0GHzで、前世代の「i3-8350K」と同じだが、最新モデルはターボブーストに対応することにより最大4.6GHzで動作する。オーバークロックが可能なロックフリー仕様で、TDPは91W。CPUクーラーは別売りとなる。

Core iシリーズの品薄傾向は現在も続いており、特にミドルレンジ以下の状況はシビアだ。そこに登場した新しいCore i3は歓迎されそうだが、手放しで喜んでいる声は聞かない。

パソコンSHOPアークは「Core i3といってもロックフリーな特殊モデルですからね。このクラスは内蔵GPUを生かしてトータルコストを抑えるニーズが強いですが、GPUなしですし。価格的にも1つ上の『Core i5-9400F』より高価ですから、なかなか微妙です」と語る。パソコン工房 秋葉原BUYMORE店も「売り方に悩むCPUです」と複雑な表情だった。

前世代のCore i3-8350KもCore i3の中では特殊な位置付けで、一部でオーバークロック向けと評価されるなどニッチな注目を集めてきた。同様の人気は期待できそうとの意見は少なくないが、某ショップは「今はそこじゃないだろうというか……。欲しいのは1万円台のGPUつきCore i3やそれ以下のエントリーCPUなんですよ」とにべもない。今後の第9世代CPUに期待したいところだ。

ニッチだけど刺さる人には刺さる――HDDの位置調整マウンタが店頭に

先週の新製品で「地味だけど奥深い」と評価されているのが、タイムリーのGroovyブランドから登場した「GR-CH35NB」だ。価格は1000円強。

GR-CH35NBは、3.5インチHDDの底面ネジ穴の位置を調節するマウンターで、HDDの側面と底面のコーナーに固定して使う。従来、3.5インチHDDの底面ネジ穴は4個あり、中央付近に短いスパンで並んでいたが、最近の大容量モデルは一対が先端付近に移動している。そのため、PCケースのHDDベイなどが以前のままだと、最近のタイプは底面のネジを片側しか留められないという事態が発生する。GR-CH35NBは、この問題を解消するためのツールだ。

入荷したTSUKUMO eX.は「ネジ位置の変化はHDDの大容量化でプラッタ枚数が増えたのが理由なんじゃないかと推測しています。最近は1枚2TBのプラッタもありますが、1台の最大容量も増していますから、メーカーもミリ単位でどうにかやりくりしているんですかね」と話していた。

GR-CH35NBを求める層としては、「ドライブをできる限りしっかり固定したいという人。ニッチだけど刺さる人は刺さると思います。底面2点留めでも気にしない人は気にしませんが、高速で回転する精密機械ですし、ネジ数が少ないとノイズの原因にもなりますから」という。

割安サイドフロー「白虎 弐」&クーラーマスターのTUFクーラーが登場

先週はCPUクーラーの新製品も多かった。サイズから登場したのは、サイドフローモデル「白虎」のリニューアルモデル「白虎 弐」だ。価格は3200円前後となる。6本のヒートパイプを走らせたデザインで、9cmファンが1基付属する。対応ソケットはLGA 115x、775、1366だ。ファンやクリップを装着した大きさは115(幅)×84(奥行き)×130(高さ)mmだ。

ドスパラ秋葉原本店は「Intel専用にするなどしてコストを抑えているのは従来通りです。サイドフローながら高さも抑えているので、使いやすいですね」と評価していた。

クーラーマスターからは「TUF Gaming Alliance」認定を取得したモデルが2種類加わっている。サイドフロー型の「MASTERAIR MA410P TUF GAMING EDITION」と、12cmのラジエーターを採用した簡易水冷モデル「MASTERLIQUID ML120L RGB TUF GAMING EDITION」で、価格は5600円前後と1万円弱だ。

TUFデザインのクーラーは同社の「MASTERAIR MA410M」「MASTERAIR MA620P」の他、サイズの「超天 TUF GAMING ALLIANCE」も店頭に並んでいる。いずれもTUFユーザー以外からの人気もあるとのことで、新モデルも注目を集めそうだ。

「マザーやファンメーカーのイルミネーション制御も人気ですし、マシンの規格とは別のところでブランドのくくりが強まっている感がありますよね。盛り上がる方向に進んでもらえたらいいですね」(同店)

実用性重視で人気――Cherry MX用キーキャップがズラリ

周辺機器関連では、Tai-HaoからCherry MXキーボード向けの交換用キーキャップ「Rubber Gaming Backlit Keycaps」シリーズが一斉に登場している。ネオンブルー、ネオングリーン、ネオンオレンジ、ネオンイエロー、ネオンピンク、スカイブルー、ダークブルー、ブラックの8色があり、18キー入りが2500円前後、8キー入りが1800円前後となる。

パソコンSHOPアークは「バックライトLEDが透過する仕様で、表面はグリップが効きやすい作りになっています。ファッションというよりも、ゲームのプレイ環境を高めるために実用目線で選ばれています」と話していた。

その他、サイズからはRGB LEDライトを制御できる4ピン接続のコントローラー「SCY-4RGBMC」が売り出されている。制御個数は最大3基で、選べる発光パターンは18種類。PCのリセットスイッチに接続すると、リセットボタンを発光パターン変更ボタンに転用できるというユニークな機能も備える。価格は1500円前後だ。

TSUKUMO eX.は「メーカーに左右されず利用できるので、案外多くの人から支持されそうですね。4月初頭に出た『彩風アドレサブル/RGB』も好調ですし、イルミネーション回りでサイズはいい感じですね」とうれしそうに語っていた。