合体してAlexaスマートディスプレイに変身するレノボのAndroidタブレットを試す

レノボ・ジャパンの「Lenovo Smart Tab P10 with Amazon Alexa」は、10.1型のAndroidタブレットに、専用のドックを組み合わせた製品だ。Amazon Alexaを搭載しており、画面付きのスマートスピーカーとして利用できるのが特徴だ。

つまり、普段はAmazonの「Echo Show」と同じく据置のスマートディスプレイとして利用しつつ、必要に応じてタブレット部を分離させて持ち歩けるわけである。完全な据置形で持ち出しが不可能なEcho Showと違い、モビリティーに富んだ2WAY製品ということになる。

今回、本製品を1週間ほど試用する機会を得たので、Echo Showと使い比べた感想などを2回に分けてお届けしよう。

10型クラスのタブレットにドックを加えて3万円台前半とリーズナブル

まずは外観とスペック部分をざっとチェックする。

タブレット部分(Smart Tab)は、同社の「Lenovo Tab P10」(TB-X705F)をベースとしている。実はこのベースモデルのLTEモデル(TB-X705L)を私物として所有しているが、直販サイトの価格で比較すると、Wi-Fiモデルは2万9970円(税込み、以下同)、LTEモデルが3万6304円なのに対し、本製品はドックが付属しながら3万2270円と、非常にお買い得なプライスだ。個人的には少々うらやましくなってしまう。

単品販売されていることからも分かるように、タブレット部だけでも十分に成立するスペックだ。CPUはQualcommのSnapdragon 450とローエンド向けとなるが、メモリは4GB、ストレージは64GBで、画面解像度は1920×1200ピクセル、Wi-FiはIEEE802.11ac対応と、基本をしっかりと押さえており、外観もチープさは皆無だ。さらに重量は約440gと、10型クラスのタブレットとしてはかなり軽く、厚みも7mmとスリムで訴求ポイントは多い。

一方のドック部(Smart Dock)は、説明書によると「HA-200」という型番で、底面に折り畳まれている支持台を広げることでフットプリントが広がり、タブレットを立てた時の安定性が増す構造になっている。正面と背面、それぞれやや左寄りの位置にスピーカーが埋め込まれているようだが、メッシュで覆われているため、外観から位置は分かりづらい。

ドックに乗せると自動的にスマートスピーカーとして利用可能に

セットアップについては、まずAndroidの標準的な手順に沿ってインストールを実行した後、続いてAlexaまわりのインストールと設定を行う。これらのフローはほぼ一体化しており、AndroidにAlexaアプリをインストールするのに比べ、より密接に結びついている格好だ。

もっとも、実質的に2つの製品のセットアップを連続して行うことになるため、時間はかなり掛かる。短くても十数分、アップデートが長引くと30分弱はかかりかねないので、時間に余裕がある時に行わないと、息切れしてしまいかねない。

セットアップが完了し、タブレット部分をドックに載せると、それまでのAndroidのホーム画面が、自動的にAlexaの画面に切り替わる。この画面は「Showモード」と呼ばれる、Echo Showの画面とそっくりの外観を持つモードで、AmazonのタブレットFireシリーズにも搭載されている。この状態で、スマートスピーカーとして音声での呼び掛けに応答する。

一方、タブレットをドックから取り外すか、あるいは手動でホームボタンを押せば、Showモードが解除され、Androidのホーム画面が表示される。ドックに載せたままAndroidの機能を使うこともできる。切り替わり時にかなり大きな音が出るのがやや気になるが、このあたりのシームレスな挙動は好印象だ。