A4かB5か?失敗しないノートPCの選び方

企業でも家庭でも長らく利用されてきたWindows 7の延長サポートが、2020年1月に終了する。それ以降は、セキュリティーに関するアップデートが基本的に提供されなくなるため、少なくともインターネットにPCを接続して利用するのは危険だ。

そうなると、Windows 10がインストールされた新しいPCへの買い替えが必要になってくる。では、自分に合った買い替え先のPCを見つけるには、どのようなポイントに注目すべきなのだろうか。

そこで本特集では、ノートPCの買い替えを検討しているユーザー向けに、重要なチェックポイントを解説していく。今回は大きさや重さ、形状についてのトレンドを整理する。

社内だけで使うならA4サイズのスタンダードタイプ

まずは、普段ノートPCをどう使っているかを振り返ってみよう。オフィス内や家庭内でしか利用しないのであれば、大きさや重さはあまり考えなくてもよい。最近の個人向けA4ノートPCや、企業向けのスタンダードノートPCは、ディスプレーのパネルサイズが14~15インチで、重さ1.5~2キロのモデルが主流だ。性能にこだわらなければ、実勢価格も5万円前後からとかなり安い。

社内の打ち合わせやプレゼンテーションなどにノートPCを持って移動する機会がある人でも、このくらいのサイズや重さであれば負担にならない。また15インチ以上のディスプレーを搭載するタイプは、キーボードにテンキーが付いていることが多い。表計算ソフトで数字を入力する機会が多いなら、こうしたタイプを選ぶと快適に作業できる。

持ち出す機会が多いならB5サイズのモバイルノート

外にPCを持ち出して利用する機会が多いユーザーには、最近増えてきたB5サイズのモバイルノートPCがお薦めだ。液晶ディスプレーのパネルサイズは12~14インチ、重さは1キロ前後が主流だ。特に軽量なモデルは、800グラムを切ることもある。

モバイルユースを重視した軽量モデルなので、薄型でビジネスバッグに収納しやすい。最近のノートPCは光学ドライブを搭載しないことが多く、前述の家庭向けA4ノートPCでも厚ぼったいモデルは少なくなっている。しかしB5サイズのモバイルノートPCは、最薄部が数ミリとさらに際立った薄型設計を採用するモデルが多く、スリムでスタイリッシュだ。

モバイルノートPCの実勢価格は、性能や重さによって変わってくる。1.2~1.5キロの性能にこだわらないモデルだと、5万~7万円前後から購入できる。しかし1キロを大きく割り込む超軽量モデルだと、15万円以上することも珍しくない。

高価な超軽量モデルは、搭載するCPUのグレートが高く、メインメモリーやストレージの容量が大きい。そのため、日常的な作業も快適だ。こうした作業環境を、外出先にそのまま持ち出せるのがうれしい。複数のPCを状況に分けて使い分ける必要がないので、それぞれのPCにアプリをインストールしたり、環境構築をしたりする手間が必要ないというメリットもある。

内ポケットにも入るウルトラミニノートPC

最近話題を呼んでいる超小型の「ウルトラミニノートPC」も紹介したい。7インチ前後の液晶を搭載し、重さは500グラム前後。先ほど紹介したビジネス向けモバイルノートPCと比べても圧倒的に軽い。液晶ディスプレーがコンパクトなのでサイズも小さめだ。厚みは2センチ前後で、ちょっと無理をすればジャケットの内ポケットにも入る。

こうした超小型PCは、15~20年くらい前にも一度流行したが、その後いったん終息した経緯がある。当時は小型設計を突き詰めるために、性能を犠牲にしたモデルが目立った。一般的なユーザーが使うには厳しいものが多かったのだ。

しかし最新のウルトラミニノートPCは、それなりの性能を持つCPUを採用し、日常的な利用には十分な容量のメモリーやストレージを搭載する。そのため、書類作成やWebブラウジング程度なら十分にこなせる。家庭向けA4ノートPCやビジネス向けモバイルノートPCでいうと、5万~6万円前後の低価格モデルに近い性能と考えてよい。現在日本で購入できるのは、基本的に中国Shenzhen GPD Technologyの製品。実勢価格は7万~9万円前後だ。

ただし、こうした超小型PCのキーボードは、小さめか明らかに小さい。タッチタイピングで楽々入力できるモデルはなく、マウスポインターの操作もいまひとつだ。液晶ディスプレー自体が小さいので、デスクトップに表示できる情報量が少ないことも、難点の一つである。

快適な作業環境を携帯できる強み

サイズと重さに注目する場合、バリバリと仕事したいビジネスユーザーに最もお薦めなのは、やはりB5モバイルノートPCだ。13~14インチの液晶を搭載するモデルなら、家庭向けA4ノートPCと同等サイズのデスクトップが使えて、アイコンや文字も普通に表示できる。キーボードやタッチパッドのサイズも十分確保されており、タッチタイピングも問題なくできる。

このような充実した作業環境を、いざとなればそのまま携帯できるという面も大きい。出先で得た情報を入力する、あるいは出先でプレゼンテーションをするといった場面でも、普段から使い慣れたPCであればスムーズに作業できるはずだ。