超軽量ノートLG gramが進化。17インチは楽に持ち歩けるモバイルデスクトップ

新生活に向けた準備が進むこの時期は、ガジェット買い替えシーズンの一つ。とくに持ち歩きが楽な軽量モバイルノートPCは、新入学の学生や新社会人を中心にニーズが大きく高まる時期だ。

そうした軽量ノートPCの中でジワジワと人気が高まっているのが、LGエレクトロニクスの『LG gram』(エルジー・グラム)シリーズ。人気の秘密は、モバイルノートPCに必要な軽さや処理速度といった要素を高い水準で兼ね備えることだ。

ともすれば相反する軽さと長時間バッテリー駆動、さらには手頃な価格などが揃ったモデルとして、日本でもヘビーユーザーを中心に評判となっている。

この2月にシリーズを一新した2019年モデルのラインナップには、新たに17インチの大画面モデルが登場。17インチの広い画面ながらわずか1.34kgと軽く、「本当に持ち運べる大画面」モデルだ。また13/14/15インチモデルでは、さらなるバッテリー駆動時間の延長やセキュリティの強化が図られている。

今回は新サイズとなる17インチモデルを中心に、新生活用PCにもってこいな2019年版LG gramについて見ていこう。

本来難しい「軽さと長時間のバッテリー」を最新技術で両立

まずはLG gramシリーズに共通する大きな特徴を紹介したい。2019年版は、画面の大きさが4種類(13.3インチ、14インチ、15.6インチ、17インチ)。本体カラーの差などを含めると合計11モデルで構成されるが、大きな特徴はシリーズに共通したものだ。

1つ目は、モバイルノートPCで重要となる「軽さ」。とくに13インチでは約965g、14インチでも約995gと、双方ともに1kg以下となる。そして15インチも約1099g(タッチパネルモデルは約1109g)と、こちらも画面サイズに対して非常に軽くなっている。

また今回加わった17インチモデルは、ギネス世界記録に「世界最軽量の17インチノートPC」として認定された。
つまり「実際の重さは画面サイズによって異なるが、どのモデルを選んでも大きさに対して非常に軽い」仕上がりになっているのだ。

ここはぜひ店頭などで試してほしいのだが、どのモデルでも実際に持ってみると、最初は「本当に中身が入っているの?」という驚きがある。そして軽さというアドバンテージが、モバイルノートPCでどれだけ重要なのかは、実際に持ち歩く方々にとっては言うまでもないだろう。

2つ目は、バッテリー駆動時間の長さだ。こちらもモバイルノートPCにおいてはとても重要。いかに軽いノートPCでも、バッテリーに余裕がなければ実用的とは言えない。

本来は長時間バッテリーを搭載すると本体は重くなるのだが、LG gramはカーボンナノチューブを採用するなど、重量対容量を増した最新世代バッテリーの搭載や、液晶パネルをはじめとする各部パーツの省電力化により、「軽いのに長時間駆動」を実現している。

公称データ(JEITA 2.0測定法)では、17インチモデルでは約22時間と、仕事や授業で1日中使っても十分なもの。詳細は後述するが、実際に測定してもWebブラウザとWi-Fi通信を行なった状態で、14時間を超えて動作するという、安心のバッテリー持ちを実現している。

画面の小さいモデルではさらに長くなり、15インチでは約24時間(タッチパネルモデルのみ約20時間)、14インチでは約27時間、そして最長となる13インチモデルではなんと約28時間の動作が可能だ。

豊富な拡張端子や高い堅牢性など、使い勝手にもこだわり

3つ目は、種類の豊富な拡張端子だ。LG gramはシリーズ共通で、USB Type-C(一部モデルではより高速なThunderbolt 3兼用となる)に加え、USB Type-AやHDMI出力、そしてマイクロSDカードスロットなどを本体に内蔵する。

軽量ノートPCのライバル機などでは、軽量化の面も相まって拡張端子をUSB Type-Cに集約したモデルもあるが、そうしたトレンドに逆行するかのような構成になっているのだ。

これはLG gramシリーズが持つ「頻繁に使う端子は本体に直接搭載されているべきだ」というポリシーに基づいたもの。実際に使うユーザーの使い勝手を考えた仕様の一つなのである。

中でも特筆したいのが、電源(ACアダプタ)入力。本体に付属するアダプタは専用の端子を使うが、本体側はこれに加えて、USB Type-C(USB PD)対応のACアダプタも使える仕様だ。細かな出力に関しては、30Wでは電力不足の警告が表示されるが給電できる状態となり、45W以上であれば警告なしで使える。

昨今ではノートPC用のUSB Type-C版ACアダプタや30W以上の出力を持ったモバイルバッテリーも出回りが良くなりつつあり、また将来的に製品数は増加するため、利便性でのメリットは非常に大きなものとなる。

LG gramは実際に使ってみると、様々な箇所で使い勝手を上げるこだわりを感じさせるのだが、こうした拡張端子の豊富さはそうしたこだわりが強く発揮されるポイントでもあるわけだ。

4つ目は、使う際の安心感を支える堅牢性に関して。軽くて長時間駆動が可能でも、持ち運び時の衝撃などですぐに故障してしまうぐらいでは意味がない。実はLG gramは、この点でもユーザーからの評価が高い。

まず本体素材には、軽くて剛性もあるマグネシウム合金を採用。さらに本体内部の各所に効果的な補強を入れることで、実使用時での剛性を増している。

さらに安心感を高めてくれるのが、米国国防総省制定するMIL規格「MIL-STD 810」テストの7項目をクリアする点だ。衝撃および運送時(梱包された状態)での落下テスト、砂塵の中や低圧(高度)状態、高温や低温といった厳しい環境でのテスト、さらには振動を掛けての状態や塩水を噴霧してのテストなど、非常に厳しい検査となっている。

モバイルノートは常に持ち歩くアイテムだけに、こうした厳しいテストをパスしているというのは、実際に使う際の安心感に繋がる。「軽くても頑丈」という、昨今のモバイルノートPCのトレンドもしっかりとカバーしているのである。

アップグレードサービスを含めたお買い得度も大きな魅力

そして5つ目となるのが、モバイルノートPCとして購入しやすい価格だ。Microsoft Office 非搭載という点には留意が必要だが、13.3インチの最廉価モデル(といっても、4コアのインテルCore i5にメモリ8GB、ストレージ256GBという、充実装備モデルだ)の想定実売価格は14万6680円前後(税別)と、1kgを切るモバイルノートPCとしてはむしろ廉価な設定だ。

14インチは15万2880円前後から、15.6インチは16万2880円前後からと、こちらもかなりお得感の高い設定となっている。さらに注目の17インチモデルは、18万4480円前後。他に類を見ない大画面モバイルノートPCがこの価格というのは、間違いなく大きなポイントとなる。

そしてコストパフォーマンスという点で紹介したいのが、ユニークな「LG gramアップグレードサービス」だ。これは軽量ノートPCとしては類を見ない、メモリやストレージの増設をメーカーサービス扱いで可能にするというもの。作業はLGエレクトロニクスのカスタマーセンターでの作業となるため、PCの増設作業などに慣れていないユーザーでも安心して受けられる。

実際の価格も、メモリの8GB増設が送料込みで1万5000円、SSDの512GB増設は3万円とお得感が高い(2018年モデルの場合)。なお、2019年モデルも、製品の内部には増設用メモリスロットとSSDスロットが用意されている。

このようにLG gramシリーズは、モバイルノートPCで求められる、軽さとバッテリー駆動時間、耐久性といった要素を満たし、さらにお買い得感も高いというバランスの良さが魅力。こうしたバランスの良さは従来モデルのユーザーから定評が高かった点だが、2019年版でもこうした美点は継承されているのである。

映画館感覚の大画面をどこでも楽しめる17インチ

さて、2019年版のLG gramで注目機種となるのが、新しく加わった17インチモデル『17Z990』だ。最大の特徴はここまで紹介した通り、17インチの大画面を1.34kgで持ち運べること。この重量は、他社では比較的軽量な13インチノートPC程度の重さであり、実際に持ってみると数値以上に軽く感じるものだ。

従来の「17インチノートPC」は大きく重く、デスクトップの置き換えとして据え置きで使う前提の製品が一般的だったが、LG gramは画面の縁(ベゼル)を限りなく細くするナローベゼルデザインにより本体サイズも小型化。ベゼルが太い従来の15.6インチノートとほとんど同じ本体サイズのまま、17インチの広い画面を収めることに成功している。

また画面に関しては、大きさに加えてもう一つのポイントがある。それは解像度も2560×1600と高い点。シリーズの他モデルではフルHD(1920×1080)だが、それに比べると解像度の差は歴然だ。総画素数は従来モデルに比べて約2倍となっているため、たとえば表計算アプリなどでは作業領域が広くなる。

さらに縦横比も16:10と、13/14/15インチ(これらは16:9)と比べて縦に長い。Webブラウザなど、縦にスクロールする頻度の高い用途では、見やすさの差が効いてくる。

今回は17インチの上位モデル『17Z990-VA76J』を試用してみたが、まず驚いたのは、大画面ならではの快適さ。

ノートPCはキーボードを備えているため、実際に使う際、目から画面の距離はほぼ一定になるのだが、本機をこの定位置で使うと、17インチという画面の大きさから視界の多くが画面に覆われて、高い没入感が得られるのだ。

この感覚に関しては、まさに「百聞は一見にしかず」と呼ぶにふさわしいもの。数値的な大きさを超えて、テレビの画面と映画館のスクリーンの違いを連想させるほど、画面の魅力が際立っている。可能であれば、ぜひ取り扱い店頭などで体験してほしい。

さて、こうした画面の迫力を支えるのが、画面周囲の縁を狭めたナローベゼル設計。画面の周りに余計な装飾が少ないため、画面の内容に集中できる。ナローベゼル自体はシリーズ共通で、コンパクト化(底面積縮小)にも貢献している。本機の場合も、一般的な15インチノートPC級の底面積に収まっているのがポイントだ。

また忘れてはならないのが軽さ。こちらも数値上では1.3kg超えとなるが、実際に持ってみると取り回しは数値以上に楽なのである。本体が大きいこともあり、最初に持ってみた感覚は「中身が入っているのか?」という疑問だったほど。これはシリーズに共通するものだが、体感的には17インチのほうが他より強く感じられたのは面白いところだ。

そして強烈な印象を残したのは、バッテリー駆動時間の長さ。今回は海人氏作のバッテリー測定アプリ「BBench」を使って、常時Webブラウジングをした状態で、画面輝度50%(本機の場合、室内では十分な明るさとなる)で測定してみた。

その結果は14時間5分と、非常に優秀なもの。公称値と比べると短かい数値となるのだが(これは公称値の測定法がWi-Fiをオフにしていることなどから)、Webブラウジングだけとはいえ、本来バッテリー駆動時間では不利な高解像度の大画面で、実測でも14時間以上をキープするというのは驚いた。

実際に使ってみてもこのバッテリーの持ちの良さは実感できるもの。Web閲覧や文書作成程度では、1日中充電なしで実用的に使える、と断言してよい。これは正直なところ、実際に使ってみて本当に驚いたところ。

もちろん本体の大きさから狭い箇所では使いにくいが、17インチでも「モバイル」はできるのだ、という体験ができるのは、一種の衝撃とも呼べる体験だった。

また速度の点でも、今回計測したモデルはインテルの4コアCPU『Core i7-8565U』を搭載するため、モバイルノートPCとしては水準以上。簡単な写真の現像処理や画像編集にも使ってみたが、画面の大きさと相まって非常に快適だった。

そのほかの基本性能も、RAMは8GB(速度はDDR4-2400)で、SSDはシリアルATA接続の512GB、そしてUSB Type-C端子は5Kディスプレイや外付けGPUなどが接続できるThunderbolt 3兼用タイプと、モバイルノートPCとして十分な水準。

特徴で紹介した豊富な拡張端子と合わせて、モバイルを抜きにした「1台目のノートPC」としても、十二分に使えるだけの資質が備わっている。

LG側は本機を称して、ノートPCの枠を超えた大画面で作業できる点から「モバイルデスクトップ」と呼んでいるが、17インチの画面を実用的に持ち出せるという気持ちよさを味わうと、このキャッチフレーズは誇張ではないと実感できるものだ。

13/14/15インチも順当に強化。より完成度の高いモデルへ

なお、13/14/15インチモデルも、モデルチェンジによって機能が大幅に強化されている。冒頭で紹介したバッテリー駆動時間の延長に加えて、2018年モデルでは上位機種のみだった電源ボタン兼用の指紋認証センサーを全機種に搭載。セキュリティと使い勝手が向上している。

さらに2018年モデルと同じく、上位機にはThunderbolt 3端子を採用。USB Type-Cより高速な、最高40Gbpsという超高速データ転送が可能なため、外付けの4K解像度液晶×2台や5K液晶の接続も可能な点が特徴。

加えて廉価機に搭載されたUSB Type-C(専用)端子では、最高10Gbpsに速度が向上している点もポイントだ(2018年モデルまでは最高5Gbps)。

このように2019年版LG gramは、細かな弱点の強化により、モバイルノートPCとして一層完成度を高めている。それにより、従来機でも美点だった「実際に使ってみると元に戻れない」タイプの魅力がますます輝く仕上がりとなった、堂々と推せるシリーズだ。その完成度の高さを、そして17インチ画面の驚きを、ぜひ店頭などで確認してみてほしい。

またLGは「LG gramers レビューキャンペーン」と題して、抽選で10名にLG gram 17インチモデル 17Z990 を試用してもらうキャンペーンも実施している。こちらもあわせて検討してほしい。