コンパクトスマホ派の駆け込み寺「AQUOS R2 compact」

真の“ハイエンド”コンパクトスマホ
「AQUOS R2 compact」が魅力的に感じる理由

ソフトバンクが1月下旬以降に発売予定のシャープ製スマートフォン「AQUOS R2 compact」を一言で表現するなら“ハイエンドコンパクト”。一見シンプルなコンセプトにも見えるが、実はこれを体現するスマートフォンは少ない。

コンパクトスマホの最大の利点は、片手で操作しやすくポケットに収めやすいサイズ感だ。画面サイズが6型クラスのスマホともなると、いくらスマホの横幅が狭くても、手が小さいユーザーは最初から画面上部に指が届かない。縦長ディスプレーのスマホではなおさらだ。必然的に両手操作になり、電車内など不安定な場所ではストレスだ。

スマホメーカーも対策を進めており、画面を下に下げたり縮小したり左右に寄せる、いわゆる「片手モード」が用意されるスマホがほとんど。しかし、片手モードへの切り替えにひと手間かかるうえ、「スマホが重く、大きい」ため片手でホールドしにくいという問題は解決しない。スマホケースやスマホリングを使うのが当たり前という状況は、利便性という面では逆行しているのではないだろうか。

一方、片手で快適に操作できるコンパクトスマホは“機能やスペックを犠牲にした”端末が多いのが事実。CPUがミドルレンジだったり画面解像度が低かったり、そもそもメモリーやストレージ容量が少ないスマホがほとんどだ。そうなると、ハイエンド指向のユーザーは不満を覚える。

ひと昔前であれば「iPhone SE」「Xperia XZ1 Compact」などがコンパクトスマホと定番と言えたモデルだが、iPhone SEには防水やFeliCa非対応などの弱点があり、すでにディスコン。Xperia XZ1 Compactは搭載機能やCPUこそハイエンドだが、HD解像度ディスプレーという弱点があった。

「弱点はあるが、このサイズは捨てがたい」と考えていたコンパクトスマホユーザーに、ようやく妥協点がないハイエンドスマホとしてオススメできるのが、AQUOS R2 compactだ。最大の特徴は、この「妥協点がない、弱点がない」というポイントだ。

サイズに由来するスペックの妥協なし
最新CPUとフルHD超えディスプレーを搭載

AQUOS R2 compactの詳細を詳しくチェックしていこう。サイズは約64×131×9.3mmで重量は約135g(暫定値)。比較対象に用意したiPhone SEは58.6×123.8×736mmで、重量は約113g。そして、Xperia XZ2 Compactは65×135×12.1mm、重量は約168gとなっている。

3端末を並べてみると、ちょうどiPhone SEとXperia XZ2 Compactの間といった重量とサイズ感だ。片手操作もラクラクで、ディスプレーもフルHD+(1080×2280ドット)解像度の倍速IGZO液晶と申し分ない。

ノッチディスプレーは前機種「AQUOS R compact」も採用していたが、画面下部の指紋センサーの左右まで詰めたノッチとなったことで、画面の極大化を実現している。画面サイズ拡大のために指紋センサーを背面に配置しなかったのは、コンパクトスマホで重要な操作性を重視するシャープらしさを感じる部分だ。

CPUはSnapdragon 845で、メモリー(RAM)とストレージは4GB/64GB。スペック上も「AQUOS R2」と同じくハイエンド。11ac無線LAN、Bluetooth 5.0対応で下り最大速度は676Mbpsとなっている。バッテリー容量は2500mAh。

カメラは2260万画素でF値1.9のシングルレンズ構成。静止画+動画のデュアルレンズカメラのAQUOS R2の静止画カメラを抜き出した格好で、インカメラは800万画素。当然ながら防水・防塵やおサイフケータイにも対応している。

SIMフリー版が登場する可能性は高い
2019年の最注目のコンパクトスマホ

AQUOS R2 compactのスペックは「AQUOS R2」のカメラがシングルになり、バッテリー容量が縮小した」といった構成だが、注目したいのは、先述のとおりサイズに由来するスペックの妥協がないこと。カメラもシングル構成だがAQUOS R2と同じカメラなのだ。コンパクトスマホでは真っ先に排除されそうなイヤフォン端子を搭載するのも、シャープらしいこだわりだろう。

気になるのは、AQUOS R2 compactがソフトバンクのみの取り扱いという点。ただし、シャープは発表会でSIMフリーモデルの販売に関して「前向きに検討する」と語っており、SIMフリーモデルが登場する可能性は高い。コンパクトスマホ好きにとっては、SIMフリー版のAQUOS R2 compactの発表が、乗り換えのタイミングと言えそうだ。